2011年6月2日木曜日

PILOT HI-TEC-C coleto

 つい数時間前にあった話。
 
 管理人は文房具を市内で買う時はS商店か、O文具店で購入している。
 前者は管理人が小さい頃からお世話になっているお店。文房具店というよりは、バケツやホース ネズミ取りなどありとあらゆるものが売っているアメリカにあるドラッグストア然とした雑貨屋。後者は文具、画材、書道用品からコピー機のリースまで手がけている文具店。最近はもっぱら(新製品なども比較的充実しているので)後者のお世話になってばかりだ。
 
 ところが昨日、PILOTのHI-TEC-C coletoのインクが切れたため、O文具店に足を運んだ。
 HI-TEC-C coletoというのは,最近出だした自分好みの色(ボールペン)・シャープペン・消しゴム・スタイラスなどへの交換が可能なペン(軸)のこと。(これで極細のカッターや修正ペンなどがあれば無敵の文具なのだが…)
 バイト先で頻繁にこのペンを使用するし、モレスキン(最近買った)や日記を含め、前に買ったボールペンよりもこちらのHI-TEC-C coletoの方を使用することが多くなった。 当然、目減りも早い。
 二つほどストックも一緒に購入しようと足を運んだのだが、シャッター降りており、『しばらく休業します』の文字が…。
 まぁ、急を要するわけでもなく、他にもボールペンならあるので、翌日(つまり今日)までは手近なボールペンを代わりに使い、S商店へ向かった。
 
 ……ところが、聞いてみるとS商店では取り扱っていないという。
 しかも、最初に対応した店主の奥さんはこのペンの存在すら知らなかった。(もちろん、知らない商品があるのは当然だが、比較的新商品だったのでちょっとショックだった)
 
 さて、今現在もこのHI-TEC-C coletoの黒色の換えが無い状態。
 たかだかボールペンのカートリッジ一本、されど…である。
 
 もう数日、市内を散策してみるつもりだが、なければ市外で購入せざるを得ない。
 
 ある人から「尾鷲は『田舎』じゃない。ただの『不便なところ』だ。」 …と言われたことがある。
 
 その人にとって、『田舎』というのはのどかな田園風景が拡がるなどして、心を穏やかにしてくれる風景のある場所…というイメージなのだろう。
 それは、その人の『田舎』感であって、都市部や郊外を離れれば すべからくそんな土地になるわけでもない。それを『イナカ』に求めるのはお門違いな話なのだが…。しかし、尾鷲が『不便なところ』であることは確かに納得だ。
 
 人間はとかく、『易(やす)きに寄(よ)る』傾向がある。
 書くものであれば何でもよい、というのも人の考え。
 書くという行為にいくらかのこだわりを持つ、というのも人の考え。
 しかし、それを選ぶのはお客であって、お店の選択肢ではない。
 『ない商品は注文すれば良い』とも考えられるが、それを繰り返していては『この店は、ここぞという時に欲しいものがない』というイメージがつき、客は離れてゆく。
 
 拡大解釈になるが、こういう考え方は尾鷲市全体にも言えてくると管理人は思う。
 
 ここぞという時に、尾鷲市には欲しいものがない。
 
 そう思われてしまえば、何かが欲しいと思った時、人びとの関心は尾鷲市以外の方向を向いてしまう。
 そんな時に高速道路(のインターチェンジ)が通ってしまえば、結果は日の目を見るより明らかだ。
 皆、尾鷲に『欲しいモノ』があるかどうかなど確かめる前に、外へ買い物をしに出ていく。
 
 今日、管理人にとっては一本のペンをここで買うか、外で買うかの話だったが、いずれは同じ感覚で尾鷲市にとどまるか、尾鷲市を見捨てるか…の選択が成されることになる。
 
 ……どうにかして、その感覚をぬぐい去る努力をしないと。